活性化エネルギ

どうも、新スタッフの濱口です。
先週大阪の「めがね橋」に行った話をしました。
行ったのは先週ですが、「歩道がついている」と知って「面白い」と思ったのは
昨年の秋です。
それがなぜ半年以上経った6月に行ったのか。

理由は2つです。
1つは日没時間の関係。濱口はしょっちゅう大阪に行っていますが、
別に何の目的もなく行っているわけではありません。それが終わるのが3時ごろ。
なんだかんだで橋に到着するのが4時半ごろ。
晩秋ともなれば4時半ごろには暗くなり始めている。
少なくとも写真を撮るには厳しい暗さ。
じゃあもう少しあとにしようと思っても冬至に向けて日は短くなる一方。
それでとりあえず3月ごろまで待とうかと。
もう1つは「疲れる」。
最寄の地下鉄の駅から1km強。しかも初めて行く場所なので道に迷う可能性あり。
さらに行きはルンルンでも、渡り終わって、帰りも1km強。それはきつい。
それで「行こう行こう」と思いながらも先送り。
しかし夏至も近いし「梅雨の中休み」で天気もいいし・・・というので先週行ってきたわけです。
ちなみに帰りは難波行きのバスに乗れたので1kmは歩きませんでした。

この「やれば楽しいのにいろいろあってやらない」というのはよくあることです。
おそらく日本の有料施設の中で一番行きたい人が多いであろうと思われる東京ディズニーランド&シーに
行きたい人は多いと思いますが、実際に行く人はごく一部。
お金がかかる、東京は遠い、仕事があって行く時間がない、と理由はいろいろあるでしょうが、
図にするとこんな感じ。
20130617012811
谷の部分で一度満足度が下がるので右の方がいいとわかっていてもそちらに行かない。
横軸はまあ適当に考えてください。
これ以外でも
・勉強すればテストでいい点取れるのに勉強するのは嫌だ
・治療すれば虫歯は痛くなくなるのに、治療は痛いから嫌だ
・禁煙すれば健康になるのにタバコはやめられない
と枚挙にいとまがない。

化学の世界にも同じようなことがあります。

[wikipedia:活性化エネルギーのページより引用]

物理や化学の世界ではエネルギが低い方へと変化するので満足度とは上下が逆になります。
つまりエネルギが高い部分があると反応が起こりません。反応を進行させるためには
その「エネルギの山」を越える必要があります。
このエネルギの山を越えるのに必要なエネルギの量、あるいはエネルギの山の高さと言ってもいいですが、
これを「活性化エネルギ」といいます。
濱口は化学は門外漢なのでこれでやめておきます。

物理にも似たような話はあります。
このブログを読んでいる人はたぶんパソコンを持っており、
そのパソコンにはたぶんHDD(ハードディスクドライブ)が入っていると思います。
最近はSSD(ソリッドステートドライブ)というのが入っているのもありますが。
そのHDDは磁気で情報を記録します。
最近のHDDは「垂直磁気記録」といってディスクの厚さ方向に記録します。

[TDKのホームページより引用]

ところで銀行の磁気カードなどをテレビのそばに置いていてデータが読めなくなったことはありませんか。
磁気記録は強い磁気がかかるとデータが書き換わってしまいます。
イメージでいうと磁石を近づけると方位磁石(コンパス)の方向が変わるようなものです。
コンパスは地磁気のような弱い磁界でも動きますが、HDDがそうでは困ります。
だから強い磁界で書き換わるのは仕方ないとしても地磁気程度の弱い磁界では書き換わらないように
なっています。

上向きの状態を0°、下向きの状態を180°とすると上向きから下向きに変わるとき、必ず90°か270°に
なります。そして各角度におけるエネルギは右のグラフのようになります。


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この方向によってエネルギが変わることを「異方性」といいます。
そのため上向きから下向きに向きを変えるためには90°または270°の山を越えるための
大きなエネルギが必要となります。だからちょっとやそっとの磁界では向きを変えることはありません。
それでHDDは情報を記録することができるのです。
ちなみにこのエネルギの山は先ほどの活性化エネルギと同じものといっていいですが、
分野が違うので、そうは呼ばずに「エネルギ障壁」と呼びます。