めがね橋

どうも、新スタッフの濱口です。
昨日大阪の「めがね橋」を渡ってきました。
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正式名称は「千本松大橋」。でも大阪の知り合いに
「こういう橋に行ってくる」と指で螺旋の柱を描くと
「ああ、めがね橋ね」
というくらいめがね橋という名称は定着しているようです。
詳しくはwikipediaで。
動画もいくつかアップされています。
めがね橋(千本松大橋)http://www.youtube.com/watch?v=OMEfXydlP3U
眼鏡橋 くるくる目が回る面白い橋(千本松大橋)http://www.youtube.com/watch?v=QnCzPssdCEI
工業地帯で大型船が通るため、橋梁が高い位置に設定されているそうです。
で、狭い土地でそこまで上がるためにグルグル回る。

この橋の構造、ループ橋というそうですが、特に珍しいというわけではありません。
海遊館の最寄の天保山ジャンクションも一部そうなっています。
また、直接見たことはありませんが、レインボーブリッジの芝浦側もそうらしい。
ではなぜわざわざ行ったのか?
この橋には「歩道」がついています。つまり「歩いて」渡れるのです。
低ければループ橋にする意味がないので、ループ橋はそこそこの高さがあります。
だから「人が通れる」というのは珍しい。
めがね橋も高さ33mです。物理的に「人が通れる」けれども「人が通る」には一苦労。
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33mといえばビルの12階に相当。
濱口も写真を撮りながらとはいうものの、渡り切るまで19分かかりました。
ちなみに勾配は6%なのでその長さは33m÷6%=550m。上り下りで1,100m。
橋の部分はgoogle mapの目測で約200m。全部合わせて1,300m。
19分だと4.1km/h。特に速くも遅くもない速さなので他の人も20分前後はかかるでしょう。
でも実際に水平方向に進むのはたったの200m。
それでその下に千本松渡が残っています。帰りはそれに乗って帰ってきました。
運行は16時台は15分間隔で8分ほど待って、さらに渡船場に行く時間もかかりますが
それでも20分はかかりません。なりより楽。

このめがね橋、カーブ部分の大半が円弧で構成されています。
これは珍しい。たぶん珍しいと思う。珍しいんじゃないかな。ま、ちょっと覚悟はしておけ。
と、ある程度、年を重ねた人には「さだまさしさんの関白宣言だな」とわかる言い方にしてみましたが、
本当に珍しいかどうかは知りません。
でも、普通、道路のカーブ、特に自動車の走る道路のカーブに円弧は使いません。
なぜなら走りにくいからです。
直線部分は当然、ハンドルはまっすぐです。
そして円弧部分に入ると一気に円弧の曲率に相当するところまでハンドルを切ります。
それをそのまま保って、直線部分になると一気にハンドルを戻します。
急ハンドルにもほどがあります。
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運転しやすいのは、
カーブに入ったところからハンドルを切り始め、以下一定の割合で切り増して行き、
あるところで戻し始め、直線部分に戻るところではハンドルもまっすぐに戻っている。
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このときの車の軌道は「クロソイド」という曲線を描きます。難しくて描けませんが。
詳しくはwikipediaで。

というわけで普通、カーブはクロソイドで設計します。円弧にはしません。
もちろん峠道や海岸線沿いの道など地形の制約でクロソイドにできないこともあるでしょうが
それでもわざわざ円弧にする必要はありません。
なので、円弧の道路は珍しいはずなのです。

もちろんめがね橋も最初はクロソイドになっているはずです。
でも回転角が720°(2周)と大きいため、そのままハンドルを切り増していくと
ハンドルを大きく切ることになるので、あるところでハンドルを切り増すのをやめ、一定に保つ。
そこからが円弧になります。

濱口は歩いて渡ったので、ハンドルはなく、クロソイドと円弧の区別はつきませんでした。
でも上記の動画
眼鏡橋 くるくる目が回る面白い橋(千本松大橋)http://www.youtube.com/watch?v=QnCzPssdCEI
はハンドル越しに撮っているのでじっくり見れば、クロソイドと円弧の区別がつくかも。