1つずれる

本日、大人気ドラマだった「あまちゃん」の総集編がありました。

その中からちょっと疑問点を。
同じことを考えている人がいないかネットで確認したところ、
「感動した」という人が多く、
「感動したんだからそんなことはどうでもいいじゃないか」
という人もいたので、以下のことは
揚げ足取りの言いがかり
と感じる人もいるでしょうがご容赦を。
あと、見ていなかった人も意味がわからないでしょうがご容赦を。

あまちゃんには「潮騒のメモリー」という歌が出てきます。この歌は大女優・鈴鹿ひろ美と
主人公の母・春子の因縁の曲なのですが、それは置いておくとして、
この曲は鈴鹿ひろ美にとって、いや、番組にとって重要な曲です。
ですから鈴鹿ひろ美がライブをやることになったときにはこの曲は、はずせない。

しかし「寄せては返す波のように」「三途の川のマーメイド」という歌詞があり、
東日本大震災の後の復興ライブだったので、「津波を思い出すんじゃないか」と
歌詞を変えようとします。
「波」のほうはどう変わったのかわかりません(録画していればわかったのでしょうが)が、
三途の川のマーメイド」は「三枝の爆笑クリニック」と変えて、いや、その案も
水口さんからあったのですが、鈴鹿ひろ美は「三代前からマーメイド(海女)」と歌いました。
これは主人公のアキ、その母・春子、その母、つまり主人公の祖母の夏ばっぱの
3代のことでしょう(作中では「夏ばっぱのことだ」となっていましたが)。

でもアキの1代前(先代)は春子、2代前は夏ばっぱ。3代前といえばその母の
ふゆ(仮名)さんのことになってしまいます。
だから正しくは「二代前からマーメイド」です。三途の川の言い替えで3にこだわるなら
「三代続いたマーメイド」です。
アキと夏ばっぱは確実に海女ですが、春子は「(アイドルになりたくて)海女が嫌で家出した」と
いうだけで海女をしていたかどうかはっきりしませんが、「三代前からマーメイド」とは
普通に考えれば「三代前からずっとマーメイド」ですから、「三代続いたマーメイド」はたぶん正しいです。

ついでに似たような問題を2問。
(1)あるマラソン大会で6位だった選手がラストスパートをかけ、5位の選手を抜き、4位、3位の選手も抜き、
  そのままゴールしました。この選手は何位でしょう?
(2)あるビルのエレベータは1階から5階まで20秒かかります。同じペースだとして10階までなら
  何秒かかるでしょうか?

かなり前フリしてたので、間違えないとは思いますが、
(1)3位を抜いたので2位
(2)5階までの倍で40秒
ではありません。

(1)3位を抜くと3位にとってかわるので3位
(2)1階から5階までは4階分上がっているだから1階分は20秒÷4=5秒。
  10階までは9階分上がるので5秒×9=45秒。
が正解です。

さて、クイズならば「間違っちゃった、てへっ」ですむのですが、
プログラミングではそうはいきません。間違った答えが出てしまいます。

プログラムを知らない人には「なんのこっちゃ」でしょうが、C言語には配列というものがあり
int c[5];
と宣言すればcという5つの配列が準備されます。しかしそれは
c[0],c[1],c[2],c[3],c[4]
の5つであり、そこにc[5]はありません。
しかしint c[5];と宣言しているのでついc[5]が使えるような勘違いをするときがあります。
もっともこれは有名であり、しかも初歩の初歩なので少し慣れれば問題ないのですが。

あと気をつけないといけないのは境界です。
条件分岐でif(x

UFO

どうも、スタッフの濱口です。

本来ならば2週間前にアップするはずでしたが今までかかってしまいました。
単に筆が遅いというよりもやる気のアメリカ航空宇宙局の表われでしょう。
あ、間違えました、やる気のNASAの・・・、まだ違いますね、やる気のなさの表われでしょう。

で、NASAだから、というわけではないですが、本日はUFOの話です。

UFO。昔は「ユーエフオー」と読んでいたはずですが、現代日本では「ユーフォー」という方が一般的なようです。
ある程度、年を重ねた人はわかると思いますが、かつて「謎の円盤UFO」という海外番組がありました。
日本では1970〜1971年に放送されたそうですが、これは「ナゾノエンバンユーエフオー」でした。
そしてこれは年代的には「ある程度、年を重ねた人はわかると思いますが」とつく内容ですが、
たぶん若い人でも知っているピンクレディーの1977年のミリオンセラー「UFO」は「ユーフォー」でした。
おそらくこの頃から「ユーフォー」が多数派になっていったのではないでしょうか。
なお、本家の英語では「ユーエフオー」「ユーフォー」どちらの読み方もあるようです。
どちらが多数派かまではわかりませんでしたが。

UFOとは「うまい・太い・大きい」の頭文字ではありません。いや、それも間違いではないのですが、
今考えているUFOとは別物です。
20130930030834

UFOとは"unidentified flying object"の頭文字。日本語訳は「未確認飛行物体」。
つまり、「何かよくわからんが飛んでいるもの」であり、
そこに「空飛ぶ円盤」や「宇宙船」という意味はありません。
ですが現代日本で「UFO」というと「宇宙人の乗り物」の意味で使う人が多数派です。
だから「UFOを見た」と言うと「え、いつ?どこで?」というふうに会話がふくらんでいきます。

ところで、本来の意味のUFOが「異星人の乗り物」である確率はどの程度でしょうか。
あ、「地球人だって宇宙人だ」という人もいるので以降は「異星人の〜」で統一します。
濱口はUFOの99.999999999999999999999999(疲れたので中略)99999999%は単なる見間違いで
「異星人の乗り物」ではないと考えています。

別に「地球のように条件がそろった星は珍しく、異星人は遭遇するほどいない」と思っているわけではありません。
異星人はきっといるでしょう。すでに地球に潜入していてもおかしくないとも思っています。
でも(宇宙船の意味での)UFO目撃情報は見間違いです。

そうはいっても「いやいる」「いやいない」という水掛け論になるだけですから、別の視点から考えて見ます。
UFOが宇宙船だとしてそれはどこからきたのでしょうか。
ケイ素生物、いわゆる岩石人間は違うかもしれませんが、地球人のような炭素生物はどこからかエネルギを
調達しなければ生きてはいけません。
人間の場合は食物を摂取しなければ生きていけませんが、その食物のエネルギをたどっていくと太陽光にたどり着きます。
最近では皮膚ガンになるとかいって日光浴は推奨されないようですが、かといって太陽光はなければ、植物は
育たず、それをエサにしている動物も絶滅し、人間は食べるものがなくなってしまいます。

だからどこからか異星人が来たとしたらそれはどこかの恒星系から来たことになります。
そして地球に一番近い恒星は4.3光年離れたケンタウルス座アルファ星です。
つまり地球に異星人が来ているとすれば、こりん星を除けば4.3光年以上旅してきたことになります。
地球にはそんな技術はありませんから、その異星人は地球より進んだ技術の持ち主です。

それから地球に来た目的は?
侵略か友好関係を結ぶためかは別にして、表立って動いてはいません。
今風に言えば「実体もなく忍び寄る白い影」です。
きっと地球人を調査している最中なのでしょう、極秘裏に。
そうでなければ、もっと堂々と現れるはずでしょう。
よく映画であるように、ニューヨーク上空に巨大円盤が円盤が現れるとか、ニューヨークじゃなくて
ジュネーブ上空だとか、あるいは秋葉原だとか。

そんな連中がわざわざ「これは地球の乗り物ではありませんよ」という飛び方をするでしょうか。
どっかの国では売り物のアイスの上に寝転がったり、店の調味料を鼻の穴に突っ込んだ写真を
公開するようなバカがいるようですが、そんなバカと何光年もの距離を越える技術を持った
異星人を一緒にしてはいけません。もしどうしても人目につく状態で飛ばねばならないとしても
地球の乗り物、つまり飛行機に見えるような飛び方をするでしょう。
決して「ジグザグ飛行ナウ」などと書き込むことはありません。

正体を隠したい異星人がジグザグ飛行のような「いかにも人類以外の乗り物」とわかるような
飛び方をするはずがありません。
ただしそれは「正体を隠したい異星人」の場合です。
そうでなければ目立つ行動をしてもおかしくありません。
たとえば、テレビで「こりん星から来た」と言っていたコリン星人です。
彼らなら目立ってもおかしくない、いやむしろ目立った行動をするでしょう。
ですから宇宙船を見かけたとしたら99.999999%の確率で、「いちごの馬車」と呼ばれる
こりん星の宇宙船です。

ですから飛んでいる宇宙船を見つけたとしたら、それは見間違いか、
そうでなければ「いちごの馬車」です。

もし、「絶対に宇宙船だ」と思える未確認飛行物体を見つけたら、
「UFO」などというあいまいな言い方をせずに「いちごの馬車を見た」と言いましょう。
きっと周りの人たちもそれなりの対応をしてくれることでしょう。

本当はこのあとに逆に
「人類から異星人に対するアプローチ」
としてパイオニアボイジャーの話が続くはずだったのですが・・・
ボイジャーが太陽系外に出たというニュースから半月以上経ってしまいました。
たぶんお蔵入りでしょう。

MAKER'S 無料見学ツアーに行ってきた

川村です。

本日は旅レポート。


・MAKER'S 無料見学ツアー

弊社ズームスが入っている神戸国際ビジネスセンターに
日本初のメイカーズ工房ができたようなので見学会に行ってきました。
イカーズの詳細は以下のページでご確認のこと。

Maker's(メイカーズ)|神戸の本格的なデジタルものづくりシェア工房。レーザーカッターの販売No1のコムネットが運営。

要するに
会員になれば色々な工作機械を使わせてもらえて、
自分の好きな物を作れるかもしれないよという感じ。

そもそもこういう工作機械は一般にはなかなか気軽に使えない物なので、
こういう設備ができると夢が広がるタイプの人も多いのでは無いかと。

ホームページを見ると、無料見学会なるものが開催されると知り、
予約を取って(1日6名まで要予約)初日に参加してきました。


・前半:まず説明

Maker'sの場所は、ポートアイランドにある神戸国際ビジネスセンター。
ポートライナーにのって先端医療センター駅おりてすぐ。

現地に到着すると、代表の五十嵐さん直々に説明会の開始。
人数が少ないこともあり、とてもなごやかな雰囲気で好印象でした。


・後半:工房の見学

説明会の後、隣室の工房へと移動。
前半と同じく代表の五十嵐さん直々に工作機械の説明と色々な注意点など。
とてもわかりやすく説明くださり、工学系に疎い川村でも十分理解できました。

ちなみにこれがレーザー加工機

最近話題の3Dプリンターもあります。

会員用の工作卓もあり時間内なら自由に使えるそうです。


・料金など

Maker'sは月額料金の会員制とのこと。
様々なプランがありますが「個人会員STANDARD」が一般的かもしれません。
初回月13650円、1日2時間までの月合計24時間まで自由に使えるもの。

あと、それぞれの設備を使うためのライセンスが必要で、
設備ごとに違いますが初級ならぱ2〜3時間の講習会を受ける必要があります。
講習費は3000〜6000円ぐらい。

正直言うと、個人的にちょっと高いかなと思いましたが、
MAKER'Sさん自身まだ手探り状態でもあると思うので、
別のプランが登場することを期待する、というかきっと応えてくださるはず。

いずれにしても、川村は3Dプリンターレーザー加工機の講習は受ける予定。

最近、ちょっとものづくり系に興味が沸いてきてたところだったので。
まあ、ちょうど良い機会だし変な物作ってやろうと思ってます。

もし続報があればここでも紹介する予定です。


・こんな感じですが

ここのブログ。
最近書いてなかったのですが。

ちょっとまたゲーム系の与太話なども書いて行こうと思っとりますれば
その際には楽しんだり怒ったり悲しんだり世を儚んだりしてくだされば幸い。

ほな

死のトライアスロン

どうも、スタッフの濱口です。

突然ですが、「死のトライアスロン」ってご存知ですか?
トライアスロンは距離によってショート・ディスタンス(短距離)、ロング・ディスタンス(長距離)、
アイアンマン・ディスタンスの3種類があります。
オリンピックに採用されたショート・ディスタンスのレースは、
スイム(水泳)1.5km・バイク(自転車)40km・ラン(長距離走)10km、
合計51.5kmの距離だそうです。
それに対し「死のトライアスロン」は、ラン20km・バイク40km・スイム4.0km、合計64kmです。
距離的にはたいしたことないです。ではどこが「死の・・・」かといえば・・・

やってみればわかります。
ラン20km・バイク40kmでふらふらになったところでスイム4.0km。
そりゃあ力尽きて沈んでいく選手もいることでしょう。

もちろんこれはフィクションです。
元ネタは、とある4コマ漫画ですが現在手元に資料がないので距離は適当ですが、
キモは「距離」ではなく「順番」なので問題はないはずです。
これはフィクションですが、実際にスイムから始める理由はおそらく上記のような事態を
避けるためだと思われます。

ひょっとすると最後がランなのも同じ理由かもしれません。
ふらふらになって走っている光景は箱根駅伝の中継で毎年のように見ますが、
ふらふらになった原因、たとえばそれが熱中症ならば危険は危険ですが、
それを別にすれば、その危険は転んだことによる打撲、擦過傷くらいです。
それがバイク(自転車)で転んだら、もっとひどいことになります。
骨折するかもしれません。
スイムの途中でふらふらになったら・・・
後になるほどふらふらになる確率が高くなりますから、後になるほどふらふらになっても危険が少ない
ようにする。すると現在の順番、スイム→バイク→ランになります。

さて、似た話をもう1つ。
ネタ元はこちらです。
http://www.dipro.co.jp/news/2003/01/index.html
http://www.appleseeds.org/Big-Rocks_Covey.htm
要約すると

                                                                                                                                • -

瓶に石をいっぱいに入れても砂利の入る余裕はある。
砂利をいっぱいになるまで詰め込んでも砂の入る余裕はある。
砂でいっぱいになっても水の入る余裕はある。
この話の言いたい事は
「どんなにスケジュールがいっぱいでも工夫すれば予定を入れることができる」
ということではなく、
「最初に大きな石を入れずに砂利を入れてしまえば
あとからでは決して大きな石を入れることはできない」
ということ。
些細な砂利はおいておき、まず人生の大石に着手することが重要。

                                                                                                                                • -

といったところでしょうか。

この2つの話、どちらも「順序」が大切だということを言っています。
これはこれでいい話なんですが、ただScienceじゃない点がちょっと困りものです。
そこでサイエンス絡みで「順序が大切」な話を探してみました。

希硫酸が欲しいのに濃硫酸しかないときはどうしましょう。
まず「理系」というだけで拒絶反応を示す人のために説明しておくと
濃は濃い・濃厚、希は希薄ということで
濃硫酸は濃い硫酸、希硫酸は薄い硫酸ということです。
ちなみに「希望」は望みがうすいということではありません。

ですから「濃硫酸を水で薄める」ことで希硫酸になります。
でも言葉通りに「濃硫酸に水を入れる」と大変なことになります。
正しくは「水に濃硫酸を入れる」ようにしなければ危険です。
「順序」というにはちょっと違うかもしれませんが。

これは学校の授業で聞いた、あるいは実際に実験した人もいるくらい
有名な話です。
でも「なぜ?」と聞かれると答えられますか?

濃硫酸と水を混ぜると発熱します。でもそれは濃硫酸に水を入れようが
水に濃硫酸を入れようが発熱量は同じはず。
考えられるのは水と濃硫酸で反応する量が違うということです。
水1cm3濃硫酸10cm3が反応するとすれば
同じように10cm3を加えたとしても
水10cm3を加えた場合、濃硫酸100cm3と反応し、
濃硫酸10cm3を加えた場合、水1cm3と反応する。
前者は後者の10倍の量だから発熱量も10倍です。
つまりもっと少量ずつ混ぜないと急に発熱してしまいます。
でもそんなことはなさそうです。

実際には発熱そのものより、それによって起こる突沸、大げさに言えば水蒸気爆発が危険です。
このとき飛び散るのは
水に濃硫酸を入れた場合、大量の水と少量の濃硫酸ですが、
濃硫酸に水を入れた場合、大量の濃硫酸と少量の水です。
どちらが危険かは一目瞭然です。

ですから、濃硫酸と水を混ぜるときには気をつけてください。
もっとも社会人になって濃硫酸と水を混ぜる機会はめっきり減ってしまいましたが。

無知の楽しみ(その4) 素数ゼミ

どうも、スタッフの濱口です。

今回はまず時事ネタを2つ。
1つ目は、またやってしまいました。
金(かね)の話で書いたように
定期を持っているのにICOCAで入場するという大ポカを。
濱口は恥ずかしがり屋さんなので駅員さんの手をわずらわせることができず、
「一度出て定期券で入り直そう」としました。そうすれば入場券の料金ですみ、被害が40円少なくなるからです。
しかしICOCAをかざすと正確には覚えていませんが「駅員に連絡してください」という趣旨の表示が出て
ゲートは開きません。
このままプラットホームに上がって目的地まで行くという選択肢もあるにはあるのですが、
改札を出ようとしてゲートが開かず、戻ってプラットホームに行くというのは奇妙な行動です。
恥ずかしがり屋さんの濱口にはできません。
それで駅員さんのところに行きました。
「あの、これ(定期券)で入るはずがこれ(ICOCA)で入ってしまったんですが」
というと
「ああ、じゃあ(ICOCAの入場)データを消しますね」とICOCAを受け取り、自動改札の横の柵を開けて、
「(ここから出て)定期券で入り直しておいて下さい」といって奥に引っ込みました。
自動改札から入ると処理が終わったICOCAを手渡されました。
きっと濱口以外にもこういうことをする人が大勢いるのでしょう。
あっという間に終了しました。
ICOCAポートライナーの磁気定期券を持っていて、普段はICOCAをよく使うのでついついポートライナー
ICOCAで入場してしまう人限定で有用な情報でした。

時事ネタを2つ目は、
ゲリラ豪雨」に出会いました。
買い物の帰りに「ポツリポツリ」の予告もなくいきなり大粒の雨が「バサバサバサ」と降ってきました。
濱口はちょっと変わった高校の出身なので、ちょっとくらいの雨は気にしません。
その濱口が「これはきついな」と思うほどの大粒の雨。
かばんの中には折りたたみ傘があったのですが「ま、いいか」とそのまま歩いていました。
これは出身高校に関係なく濱口の資質。
すると10秒もたたないうちにいきなりやみました。
仮にすぐに折りたたみ傘を出したとしても差す前にやんだであろうという短さ。
ゲリラ豪雨」というより「通り魔豪雨」でした。
いや、単にそれだけです。

さて今回久しぶりの「無知の楽しみ」です。
「無知の楽しみ」とは
知らないからこそ、恥ずかしげもなく話を広げていくことができる。
知らない方が楽しいよ。
という話をしていくシリーズ物です。
ですから以下の話も正しいという保証はありません。
ホンマでっか!?TVくらいのノリでお読みください。

日本では毎年セミがないています。
しかしアメリカでは13年もしくは17年に1度大量発生し、他の年にはほとんど発生しません。
13年、17年と2種類あるのは、13年ゼミ、17年ゼミと2種類のセミがいるからです。
13、17がともに素数であることから「素数ゼミ」と呼ばれています。
大量発生は生き残るための戦略です。天敵が食い尽くせないほど大量発生すれば生き残る個体が多くなる。
と説明されることが多いようですが、素数ゼミの場合もう1つの意味があります。
食物連鎖から考えて、被捕食者が増えれば捕食者も増え、被捕食者が減れば捕食者も減る。
ですから素数ゼミが大量発生すればその天敵も増えます。しかし素数ゼミの場合、その後の
12ないし16年はセミはほとんどゼロです。そのため一度増えた天敵も減少します。
そしてその減ったところで13ないし17年振りの大量発生。
彼我の個体数差はさらに大きくなります。

以上の条件だけでは、ある程度の間隔があれば9年ゼミでも20年ゼミでもかまわないのですが、
なぜ素数なのか。「他のセミと同時発生しないように」と説明されています。
他のセミと同時に発生すると、他のセミと交配してしまうからという説明が多いようですが、
単純に「食料等に限界があるのである程度以上大量発生しても生き延びられず無意味」と考えても
いいと思います。

周期が素数だと同時発生する期間が長くなります。
しかしそれなら素数でなくても、共通素因数を持っていない、つまり互いに素であってもいいはずです。
13年ゼミと17年ゼミなら13×17=221年周期で同時発生します。
しかし15(=3×5)年ゼミと16(=24)年ゼミならいずれも素数ではありませんが、3×5×24=240年周期で221年より長くなります。

ではなぜ素数なのか。
ちょっと計算してみました。
いわゆるシミュレーションですがシミュレーションはどのような設定にするかが大事です。
ここでは次のように設定しました。
・1年ゼミから20年ゼミまで20種類のセミがいる
・初期値は50,000匹。つまり1年目は1年ゼミが50,000匹、2年目は2年ゼミが50,000匹発生する
・その年の個体数のx倍が次の機会(3年ゼミなら3年後)に発生する。
 xをいくつにするかが重要になるが、xが1未満だと発生するたびに減少するので、発生回数が少ない、
 つまり周期が長いほうが有利、逆にxが大きいと周期が短いほうが有利になる。x=1〜1.02くらいが
 妥当だった。
・1年間に生き残る個体は全体で100,000匹。それを超えている場合は個体数に比例して減少させ、
 全体で100,000匹にする

ちょっと例を示せば、x=1.1として
・1年目に1年ゼミが50,000匹発生。他のセミはいない。全体で100,000匹以下なのですべて生き残り
 1年ゼミは50,000匹で2年目に進む。
・2年目に1年ゼミは50,000匹×1.1=55,000匹発生。2年ゼミは初期値の50,000匹発生。他のセミはいない。
 全体で100,000匹以上なので100,000匹になるように比例配分し、1年ゼミ50,249匹、2年ゼミ49,751匹になる
・以下3年目に3年ゼミが初期値の50,000匹発生。・・・
というふうに進めて行きます。

これを400年後まで続けました。
下図はx=1.01のときの結果です。横軸は年数、縦軸は個体数。凡例の1〜20は1年ゼミから20年ゼミを表しています。
101-A

いやあ、見にくい。色を工夫すればもう少し見やすくなるのでしょうが20もあると設定するのも大変です。
それにどうやっても重なるグラフが出るので見にくいことには変わりない。
なので400年後のセミの個体数だけを示すことにしました。ただし、3年ゼミは400年後には発生しないので399年後の
個体数。同様に400年後に発生しないセミはその直前に発生した個体数としました。
それを横軸が何年ゼミか、縦軸が個体数でグラフ化しています。
ではx=0.9からx=1.05までを一気にどうぞ。


x=0.90

090-B

x=0.99

099-B

x=1.00

100-B

x=1.01

101-B

x=1.02

102-B

x=1.03

103-B

x=1.04

104-B
x=0.90のときは長周期が、x=1.04のときは1年ゼミが多数派を形成しますがその間、たぶんxの設定が適切な
辺りでは素数セミの個体数が多くなっています。いやあ、ここまで露骨に素数セミの個体数が多くなるとは。
つまり現在の素数ゼミは淘汰された結果であり、結果だけ見れば15年ゼミと16年ゼミでもいいのですが、
淘汰の経過を考えるとそれはありえない。

もちろん設定次第で結果は変わるでしょうが、そこそこ正しそうな設定でこの結果。
素数ゼミが生き残るのは当然というわけです。

ちなみにこの設定の弱点を挙げておくと
・天敵の増減が入っていない
・生き残る個体数が100,000匹と一定
・1年ゼミから20年ゼミが均等にいたという初期値
などが考えられますが、でも入れたところで個体数そのものはともかく各セミの比率はあまり変わらないような気もします。

まあ、「無知の楽しみ」ですから苦しんでまで進める必要はないですね。
ここで終わり。

コイセンサー

どうも、スタッフの濱口です。

このブログは原則日曜の夜遅くに更新していますが、8/10〜8/18までお盆休みだったので
8/11、8/18はお休みして3週間ぶりの更新です。

東大阪市の水道水はおいしい」
お盆休み中に見たテレビ番組でのセリフです。
かつてはまずい水の代名詞だった「水道水」もだいぶ様変わりしています。
東大阪市においては平成10年7月より高度浄水処理をしています。

高度浄水処理とは、オゾンの強い殺菌力により有機物質や汚れを分解し、
粒状活性炭の吸着力でそれらを取り除くことで、
そのことにより殺菌用塩素の注入量が減少したため、
カルキ臭、トリハロメタンも大幅に減少しているそうです。

水道事業の府市統合が話題になっていましたが、それから考えるに東大阪市の水道は
大阪府が管轄しています。だからたぶんその他の市も次々と高度浄水処理をしていることでしょう。
で、統合相手の大阪市がどうかといえば、やはり、高度浄水処理をしています。
「だったら統合しても問題ないじゃん」とまったくの部外者の濱口などは軽く考えてしまいますが、
まぁいろいろとしがらみがあるのでしょう。

さて、tagはscienceですが、この高度浄水処理の話ではありません。
ていうか、タイトルを見れば一目瞭然、「コイセンサー」の話です。

コイセンサー。KOI(コイ)は何かの頭文字をつないだもの、
たとえばknowledge of IntelligenceでKOIというわけではなく、「鯉センサー」です。
取水口から取り込んだ先に「5つに分かれた水槽」があり、鯉が泳いでいます。
そしてエサで誘って、普段は鯉が取水口に近い水槽にいるようになっています。
もし、取水口から有害物質が入ってくると、鯉はそれを嫌って奥の水槽に移動します。
したがって、鯉がどの水槽にいるかを見れば、有害物質の有無がわかります。
20130825200432

画像から鯉を自動認識しやすいように白い鯉を使うといった工夫もしているそうです。

センサーとして鯉を使う理由としては、濱口の推測ではありますが、
まずは安価であること。
それから設置位置が取水口直後であること。
上水道に送り出すところでは物質XXは??ppm以下といった基準値があるはずですが、
処理する前の取水口直後には基準値はないんじゃないでしょうか。
だとすると物質XXは??ppmと正確に測定してもあまり意味はありません。
むしろ「鯉が嫌がるほどの汚れ」という情報の方が役に立ちそうです。
コイセンサーについて詳しくは
「コイによる常時水道原水水質監視」

をご覧ください。

このコイセンサーで思い出すのが「毒ガスを検知するためにカナリアを連れて行く」話です。
日本では1995年の山梨県上九一色村オウム真理教施設に対する強制捜査の際に捜査員が携行している様子が報じられ、
有名になったそうです。
すでに18年前。いつものように「ある程度、年を重ねた人はわかると思いますが」とつけた方がよかったかもしれません。
この「カナリア検知器」、元々は炭鉱において、発生するメタンや一酸化炭素といった窒息ガスや毒ガス早期発見のための
警報として使用されたそうです。
新しい斜坑の底に3羽以上のカナリアを置き、1羽でも異常な行動が見られたなら、斜坑から撤退する。
人の代わりにカナリアが死ぬ(←そこまではいかないのかもしれませんが)ことで危険を察知するわけですから、
見ようによっては「動物虐待」ですが、少なくともコイセンサーは違います。

仮に取水口部分に毒物が発生したとしましょう。
取水口の外にいれば、死んでしまいます。
でも取水口の内側、コイセンサーの中にいれば、奥の水槽に逃げれば死なないかもしれません。
死ぬことで危機を知らせる「炭鉱のカナリア」と違い、「コイセンサー」は逃げることで危機を知らせます。
ですからよっぼど急激に水質が悪化しない限り鯉が死ぬようなことはありません。
ということなので「動物虐待だ」などという抗議はおやめください。

「動物虐待」といえば有名なのが科学者のエルヴィン・シュレディンガー
彼は箱の中に放射線が発生すると毒ガスが発生する仕組みとともに猫を閉じ込め、
何匹もの猫を殺した極悪非道な科学者・・・ではありません。
これは思考実験であり、実際にこの実験を実行したわけではありません。おそらく彼は生涯で1匹の猫も
殺したことはないでしょう。でも実際に彼が猫を惨殺したとかん違いしている人もいるようです。

このシュレディンガーさん、マニアックな人間しか知らないのかと思っていたら、
2013/08/12に「シュレディンガー生誕126周年」としてGoogleのロゴが変更されました。
20130825200431
「生誕100周年」、せめて「生誕110周年」という切りのいい数字ならまだ理解できるのですが、
「生誕126周年」って何なんでしょう。この調子なら「生誕127周年」も「生誕128周年」も
Googleのロゴが変更されそうです。
それほどの有名人ということでしょうか。

ところで上記の思考実験は「シュレディンガーの猫」として知られていますが、
シュレディンガーの箱」ってご存知ですか?
シュレディンガーの猫を入れていた箱」という意味です。

これでは何の説明にもなっていませんね。
シュレディンガーの箱」とはサイエンス・グッズ・ショップの名前です。
サイエンス・グッズといっても実験道具を売っているわけではなく、科学関係のグッズを売っています。
これでもわかりにくいですね。
下のイラストがリンクになっていますので、一度のぞいてみてください。
20130826065145

いいものか悪いものか箱を開けるまではわからない、昔風に言うと「玉石混交」な商品という自虐的な意味と、
シュレディンガーの箱」が「シュレディンガーの猫」と韻を踏んでいるという理由で名づけられました。

開店はシュレディンガーの誕生日の8月12日ではなく8月20日。現在セール中です。

「初」と「新」

どうも、スタッフの濱口です。

さて、8月になりましたので初詣の話題です。
例によって、おっさんの前世紀の文章です。
なぜ、8月なのに初詣かといえば、じっくり読むとわかるかもしれません。
では『5.初日の出と初詣』をどうぞ。



初日の出と初詣

今年の1回目が『世紀末』という正月にふさわしくない話題だったので、
今度は正月らしく『初日の出と初詣』です。

まず『初日の出』ですが、これは言うまでもなく『1月1日の日の出』です。
では、なぜ、『1月1日の日の出』が重要視されるのでしょう?
『12月31日の日の出』と何が違うのしょう?
はっきり言えば、何の違いもありません。まあ、細かく言えば、12月31日よりも
1月1日の方がほんの少しだけ北側から日が昇ります。でも、そのことを知っている人は
たくさんいても、実際に見てこのことに気付く人は、世界規模で見てもほとんど
いませんから、同じと言ってもいいでしょう。

現在の暦は『太陽暦』とも言われるように太陽の運行を基準にしてはいますが、
『1月1日』がどのように決められたのかわかりません。でももし太陽の運行に
応じて決めたのならば、太陽が最も北寄りから昇る『夏至』、南寄りから昇る『冬至』、
真東から昇る『春分秋分の日』あたりが『元日』になっていたでしょうから、
どうやら太陽の運行とは無関係に決められたようです。
だとすると『初日の出』はまさに『1月1日の日の出』という人間の決めた
暦としての意味しかなく、無限に広がる大宇宙における法則・真理とは無関係です。
ですから、
「はい、今日を1月1日とします」
と言えば、その日の日の出が『初日の出』となります。
おっと、それでは『初日の出』に間に合いませんね。「今日を大晦日とします」と言って
もらわないといけません。ま、どっちにしてもあまりありがたくありませんね。

ところで、『初日の出を拝む』という習慣は海外にもあるのでしょうか?
日本では、かつて聖徳太子が『日いずる国』と言ったり、宗教でも太陽を擬人化(?)した
天照大神』や『大日如来』が高い地位にいたりと、日本人にとって太陽は特別の意味を
持つようです。もっとも『日本』の『日』も『日の丸』も太陽を表わしていますから、
いちいち説明するまでもありませんが。
ですから『初日の出を拝む』というのもよくわかります。でも外国ではどうでしょう?
キリスト教には『太陽神』そのものがいるかどうかすらわかりませんし、
ギリシャローマ神話の『太陽神アポロン』は主神とはいえず、せいぜい『幹部クラス』です。
太陽というもの自体が重要視されていないようです。
これが本当かどうかは知りませんが、さらに地理的な問題もあるんじゃないでしょうか。
地中海といえばすごく暖かい、下手をすれば南国の海というイメージまでありますが、
緯度で言うと北海道と同じくらいです。パリ・ロンドンといえば、さらに北にあります。
ですからたぶん凄く寒いのでしょう。行ったことがないので本当かどうかわかりませんが。
だとすると初日の出をみるのはかなり厳しいんじゃないでしょうか?
海外でも真夜中にカウントダウンしているのはよく見ますが、真夜中より夜明け前の方が
寒いそうですから。

これだけ書いておいて、『実は海外でも初日の出を拝むんだよ』という落ちだと本当に
屁理屈ですが、どなたかご存じないですか?
それから、北欧あたりの『初日の出』はどうなっているんでしょう?
白夜がある地域は冬は逆に何日も太陽が昇らずずっと夜が続きます。ですから1月1日に太陽が
昇らないという所もあるでしょう。とするとたとえば『1月15日が初日の出』ということに
なるんでしょうか? 

つづいて『初詣』です。厳密に言えば『元日』に参拝することなのでしょうが、三が日、
あるいは松の内に参拝することを言うようです。
これまた不思議な習慣です。1度参拝しても年が変わると『無効』になるのでしょうか?
仮に12月31日に参拝したら有効期限は1日だけ? いくらなんでもそんなことはないでしょう。
だとすると正月にイモを洗うような状態で押し合いへし合い参拝しなくても、もっとすいた時に
参拝する方がいいんじゃないでしょうか。たいていの人は初詣1回だけしか参拝していない
ようですから、有効期限があるにしても1年間は有効のはずです。ですから、月を決めて
1回参拝すれば同じはずです。
「俺の初詣は8月だ」というのがかっこいいか、馬鹿にされるかちょっとわかりかねますが。

では、いつ参拝するのがいいのでしょう?
初詣のイメージに近いのは2月ですが、その頃は受験生の参拝が多いですから
正月よりはましでしょうが、避けた方がいいでしょう。4月を過ぎれば、
あとはいつでも同じようです。

さて、いつ行きましょうか。いつでもいいのならできるだけすいた時にしましょう。
もう気付きましたか? そうです、あの日です。日本国民のほぼ全員が『えせキリスト教徒』になる日、
『クリスマスイブ』です。この日は誰もが神社なんか見向きもしませんから、この日に参拝すれば、
神様もいつもより多くの御利益を授けてくれるかもしれません。

でも、『おおぜい参拝に来ているからひとり当たりの御利益は小さく、少ない人数だから御利益が
大きい』神様ってちょっと嫌ですね。やはり神様には平等に扱って欲しいと思います。
ただ、お願いする方からすればどうでしょう。押し合いへし合いしながらお願いするよりも、
すいた状態でお願いする方が、願いが通じるような気がするんですが。
なら、やはりすいた時に行った方がいいようです。
「神様ならちょっと思っただけで通じるんじゃないか」という意見もあるでしょうが、
それを言うと参拝そのものが無意味になりますから却下です。

ところが、すいた時に参拝するのにも欠点があります。『すいた時』ですから当然のことながら、
『バイトの巫女さん』なんていません。『バイトの巫女さん』を鑑賞したい人は今まで通り、
押し合いへし合いしながら正月に参拝してください。

ああ、素晴らしきかな、屁理屈!



「俺の初詣は8月だ」という一言から、この暑い8月に初詣の話を引用したのですが、
普通世間ではこういうのを「あげあしとり」といいます。

ちなみに「初雪」は「その年の最初に降った雪」ではなく、「その冬の最初に降った雪」だそうです。
少し考えれば当たり前の話で、雪のシーズンの間に新年を迎えるわけですから、
「その年の最初に降った雪」は意味を持ちません。
そんな定義だと雪国では多くの場合、3が日が初雪になってしまいます。

しかし「その冬の最初に降った雪」ではちょっと困ることがあります。
「昨日の雪は『冬』でなく『秋』に降ったから初雪ではない」などという屁理屈はおいておくとしても
いつからが冬かよくわからない地域があります。
それは高山です。いうまでもありませんが「(ひだ)たかやま」ではなく「こうざん」です。
高山では、平地で「夏」と呼ばれる季節でも雪が降ることがあります。
つまり昨年の冬と、今年の冬の間に明確な「夏」がないこともあるのです。
そうなると、この雪が「昨年の冬の最後の雪」なのか「今年の初雪」なのか、判断に苦しみます。

そこで明確にするために「その年の最高気温を記録した後の最初の雪」を初雪としています。
そのため、「初雪が降りました」と報道された後に最高気温が更新され、初雪が取り消された
年もあったそうです。
もっとも富士山頂の測候所が閉鎖されて以来、そんなややこしい観測地点がなくなり、
「その冬の…」で問題なくなったそうですが。

さて、「8月だ」という部分があるという非常に細かい理由で始めた今回の話、
実はもう1ヶ所、細かな部分が変わっています。
今まで6ヶ月以上、「新スタッフ」を名乗ってきましたが、今回は単に「スタッフ」になっています。
「新」とか「初」とかいうのは一般的な使い方がいいようです。

となれば、やっぱり最後はこの人のギャグで。
「誰が興味あんねん!」by ザ・プラン9 ヤナギブソン