はじめまして

はじめまして、新スタッフの濱口です。

このブログ、−自由研究−という副題がついてますが、
「何でもいいよ」
ということなので知り合いの知り合いのおっさんの話をしてみます。

そのおっさんは、「転勤したくない」との理由で、この不景気の昨年3月に
自主退職した阿呆なおっさんです。
以下はそのおっさんが1998年ごろに書いていた文章で、

問:靴は履いていると底がすり減りますが、1番すり減る量が少ないのは何月でしょう?
答:それは2月です。他の月は30ないし31日ですが、2月は28ないし29日で日数が少ないからです。

これを『減り靴』と言い、やがて『屁理屈』の字が当てられるようになった。
・・・というのは多分うそです。

という書き出しで始まった全18話(未完)の『素晴らしき屁理屈』という話です。
15年も前に書かれたものなので古さは否めません(今回出てくるゆうきまさみ先生って
今の人は知っているのでしょうか)が、面白いと思えるものをいくつか紹介したいと思います。
なお、そのおっさんが今、どこで何をしているかはご想像におまかせします。

では時期が時期なので、その中から『10.バレンタインデー』をお送りします。



バレンタインデー


2月14日はバレンタインデーです。ではその起源についてお話ししましょう。

それは第二次世界大戦後すぐの混乱期までさかのぼります。戦争に敗れた日本は大混乱。
そしてアメリカの軍隊が進駐してきました。
日本の都市のほとんどは爆撃により壊滅しており、人民はその日の食べ物にも困っていました。
そして考えることは皆同じ。持っている人からもらおうということです。しかし日本国民で
食料を持っている人など都市部にはいませんでした。そこで目をつけたのがアメリカの兵隊です。
もちろん兵隊たちが食料を持ち歩いているわけではありません。しかし多くの兵隊は支給された
スナック菓子、チョコレートやチューイングガムを持ち歩いていたのです。
それを目当てに兵隊たちに呼びかけました。
「ギブミーチョコレート、ギブミーチューイングガム」
と。とくに栄養価の高いチョコレートが人気がありました。
そしてその「ギブミーチョコレート」の声に答えたのが、アメリカ陸軍の『バレンタイン少佐』です。
彼は陸軍が持っているチョコレートの大半を日本国民のために放出したのです。
その日が2月14日で、それからその日は『バレンタインデー』と呼ばれ、
チョコレートを贈るようになったのです。
このことで陸軍の株が大変上がりました。おもしろくないのは海軍です。今でもそうですが、
同じ国でも陸軍と海軍の仲は悪いのが普通です。そしてアメリカ軍でもそうでした。
そこで海軍は『ホワイト大佐』を中心に日本国民にプレゼントをする計画をたてました。
海軍は陸軍に比べて補給部隊が充実していましたし、階級が高いことも影響したのでしょう、
チョコレートだけでなく、マシュマロにケーキ、はてはハンカチーフまで準備し、
陸軍に遅れること1ヶ月、3月14日に『ホワイトデー』と銘打ってプレゼントしました。
最初は影の薄かった『ホワイトデー』もその後定着しました。何をプレゼントするかは
諸説ありますが、それはその起源に原因があったのです。

というのはもちろんまったくの嘘です。なお、『バレンタイン少佐』のくだりのオリジナルは
ゆうきまさみ著 究極超人あーる』です。『ホワイト大佐』は私のオリジナルです。

さて、本当の『バレンタインデー』は269年頃殉教死したローマの司祭、バレンタインに
由来するそうです。どういう経緯があったか知りませんが、この日に愛する人に(特に女性から男性に)
贈り物をするという習慣があったようです。
これに目をつけたのが『チョコレート業界』です。「バレンタインデーにチョコレートを贈ろう」
というPRは1958年頃より定着したそうで、現在では2月だけでチョコレートの年間売上量の
3割だか5割だかの売上げがあるそうです。
見事なものです。企画とはこうありたいですね。

次にホワイトデーですが、こっちは由来がはっきりしません。バレンタインデーとは違い、
宗教がらみではないようです。ですから『聖(セント)バレンタインデー』とは言いますが、
『聖ホワイトデー』とは言わないようです。
だとするとバレンタインデーの成功を見た『誰か』が2匹目のドジョウを狙って仕掛けた、
というところでしょうか? マシュマロ、ケーキ、ハンカチーフ等、贈り物があやふやなのは
何故でしょう? 各業界が『ホワイトデー』という企画に飛びついて「これも。これも」と
次々に物が増えて収拾がつかなくなったのでしょうか? だとすると、最初に『ホワイトデー』を
企画した仕掛け人はどの業界の人だったのでしょうか? まったくの謎です。
しかし仕掛け人が『アメリカ海軍のホワイト大佐』でないのは間違いないようです。

前の段落は結局推測だらけになってしまいました。ですからついでにもうひとつ仮説を出しておきます。
『バレンタインデー』でプレゼントしてばかりの女性たちが「自分たちもプレゼントが欲しい」と
言って『ホワイトデー』を企画した、という説です。
しかし、この説はまず間違いなく嘘でしょう。
ホワイトデーが世の中に認知されたのはちょうど『バブル』の真っ只中です。そんな時期に
マシュマロ・ケーキ・ハンカチーフ? そういうものをもらって喜べる心清き女性など
もう絶滅しています。
プレゼントとして『ブランドもののバッグ』『三つ星レストランでのディナー』『ダイヤの指輪』等を
贈る、というふうになっていたら、「ああ、なるほど!」と納得できるんですが。



以上で終わりです。最後の文は全世界(いや、日本だけか)の女性を敵に回しそうですが
前世紀に書かれたものですので、おっさんを許してやってください。

ところで単なるメモリの無駄遣いだと思うんですが、
こんなんでいいんでしょうか。