無知の楽しみ

どうも、新スタッフの濱口です。
去る3月20日、撮影に行ってきました。
濱口には鳥を撮る趣味があります。
ただし鳥が好きだというわけではなく、望遠レンズを買ったけど
撮るものが鳥くらいしか思いつかなかっただけです。

あと歩くというのも目的の1つです。以前は通勤で毎日計50分歩いていたのが
0になったので歩こうと思ったけれど無目的に50分も徘徊するのはつらい。
で、写真を撮りながら歩く、ということをしていました。

地名を言ってもわからないと思いますが、
国道2号線から谷八木川沿いに下り、JR、山陽電鉄を越えて(実際にはくぐるのですが)
河口に至り、そこから砂浜を東に進み藤江漁港で終了。全行程で6km強。
よく鳥がいるのはJR−山電間。望遠レンズとはいえ小さな鳥は小さくしか写らないので
狙い目はシラサギ、アオサギ(ゴイサギ?)、カモメ、トンビ、ウ(ウミウかカワウかわかりません)、
カモ(オシドリ?)あたり。

川はまず「鳥が多い」さらに「距離が近い(といっても20mくらいはあります)」こともあり、
撮影枚数が多いのですが、海に出るとめっきり減って歩く割合が多くなります。
暇なんでいろいろ考えながら歩いてました。
で「♪夕焼け空がまっ赤っ赤」ではなかったですがとんびがくるりと輪をかいてました。
それを見て鳥の飛び方(羽ばたき方)を思い出してみると・・・
トンビ:上昇気流に乗っかって浮いているだけで羽ばたいているのを見た記憶がない
カモメ:ほとんど滑空。あまり羽ばたいているイメージはない
ウ:激しく羽ばたきながら飛ぶ
サギ:大きく羽ばたいて飛ぶ
と種類によって大きく違います。
でこの話の主役の名も知らぬ小さな鳥です。
この鳥は激しくというか(羽が見えないほど)すばやく羽ばたいて飛びます。
で、たまに羽ばたきをやめます。そのときに羽を広げて滑空するわけではなく
羽をたたんでしまいます。その結果、高度は落ちますが速度は上がります。
で、またすばやく羽ばたいて高度を回復します。
それを見ていると波打ちながら(高度)、脈打ちながら(速度)飛んでいるように
見えます。
見た目は大変そうですが、その方が効率がいいのでしょうか?
少なくとも鳥にとってはそれがいいのでしょう。
そこでふとひらめいたのが
「3秒以上等速直線運動を続けるとロックオンされる」
ということです。戦闘機ならともかく鳥でそんなことがあるのか?
鳥に詳しい人ならわかるのでしょうが正解が出たらそれで終わりです。

心理学に「オープンクエスチョン」「クローズドクエスチョン」という言葉があります。
「クローズドクエスチョン」はYes/Noで答えられる質問で、答えたら後を続けるのが難しく、
それで話が終わることが多い質問です。
一方「オープンクエスチョン」は「一昨日の夕食は何でしたか」のようにどんな答えでも可能な
質問です。その答えについて質問して、どんどん話を進めることができます。
ちなみに「一昨日の夕食は何でしたか」は人間の記憶があいまいなのをわからせる質問で、
昨日の夕食は覚えていても一昨日の夕食をすぐ言える人はあまりいません。もっとも毎日同じメニューなら
簡単ですが。あなたは一昨日の夕食覚えていますか?

で話を戻して・・・
正解はいわば「クローズドアンサー」でそれが出るとそこで終わり。
一方、正解を知らぬままに答えたものは「オープンアンサー」でそのあと妄想が、
いや発想がふくらんで行きます。
そして膨らんだ発想が他に結びつくといろいろと生まれます。
科学の分野では、
「風呂」と「合金の含有率」を結びつけたストリーキングの祖・エウレカさん、
「りんごをかじると歯茎から血が出た」ので「万有引力」を発見したニュートンさん、
「尻尾をくわえた蛇」と「ベンゼン環」を結びつけた・・・のは誰でしたっけ?
といろいろあります。
このネタは一度使いましたね。
正しくは
「風呂」に入って「合金の含有率」に気付き、「エウレカ!」と叫んで裸で走り回ったのはアルキメデスさん、
「りんごをかじると歯茎から血が出た」ことで「歯槽膿漏」を発見したのはデンター・ライオンさん、
「尻尾をくわえた蛇」と「ベンゼン環」を結びつけたのは知らなかったのですがアウグスト・ケクレさんだそうです。

「答えを知らない方がいろいろ面白いですよ」というつもりだったんですが
それ自体の正解を知らなくてもいいですが、その周りの正解を知らないと、
妄想は、いや、発想はふくらんでいかないんです。
だからある程度は知識も必要で・・・

「♪知っているのに知らんぷ〜り」ができれば最強なんでしょうが、
正解を知っていながらそれ以外のことを考える、というのは凡人には
難しいです。なんせ正解を知っていながらそれ以外の答えを考えるのですから、
どうしても正解に引っ張られてしまいます。

と思っていたら、それをこともなげにやっている人たちがいました。
漫才等の「ボケ」の人たちです。
彼らは正解を知っていながらボケてみせます。
もっとも天然の方々は正解を知らないようですが。

つまりは発想という点において、ボケの人たちは「最強」ということになります。
ノーベル賞受賞者は東大より京大の方が多い(人数だけでいうと大差ないようですが)」というのも
関西のお笑いの土壌が関係しているのかな。
ま、そんなことはないでしょうけど。