ゲーム音楽夜話 第5話 『田中美沙のテーマ』

川村です。

書けることは多々あれど。
今この瞬間何を書きたいかは気分次第。

とはいえ基本的にブログなんぞは、
決めない、止まらない、ググらないで書くに限りますれば、
さあマジで何を書こう。


・同級生 田中美沙のテーマ

「同級生」の「田中美沙のテーマ」が好きです。

とりあえず聞いてみましょうか、と言いたいところですが。
どこにも無い。Youtubeにも無い。

仕方が無いので続編の「同級生2」をリンク。
この中の1分前後の音楽でございます。


いかにもPC98らしいFM3音+PSG3音ですね。
本当はサターン版の音楽が一番良かったんだけど無かったな。
私、持ってるからアップしよか?(違法行為)


あと、関連動画を見てはならないぞ。(注意喚起)


・NANPA.bat

「同級生」とは1992年にリリースされたPC98用ゲームです。

まず始めに断っておきますね。
このゲームはアダルトゲームです。
18禁です。エロゲーです。

主人公は高校男児
夏休みの間に町を色々物色して女の子と会ったり、
口説いたり、デートしたり、○○する感じのゲームです。

ヒロインは10人ぐらいおりまして。
その中の一人が田中美沙というキャラクターでございます。

ところでこの「同級生」
アダルトゲームですがメチャクチャ売れた作品です。
あまりにも売れすぎてキャラグッズも山のよう。
エロシーンをアレンジして家庭用ゲーム機にも移植される始末。

キャラだけではなく、システム的にも割と斬新で、
後世のゲーム(非アダルト)にも大きな影響を与えています。
システム的な話はまた別の機会に書くとして。

実はもう一つ、大きなエポックがございます。


・世界最初のツンデレ

今回の「田中美沙」さんは世界最初のツンデレです。

これは賛否分かれる類のお話ですけどね。
一応私なりに世界初とした理由を。

そもそも一般的に「ツンデレ」とは、特定の人間に対して
敵対的な態度(ツン要素)なのが、ある瞬間から好意的(デレ要素)に変わる
その両面性を持つキャラクターとか様子の事をさします。

「天邪鬼」とか「意地っ張り」みたいな言い方で、
漫画とか小説にはよくあるタイプの一つではありましたが、
あえて「ツンデレ」というのは「変わる」という部分です。

「変わる」を認識するということは
相手とコミュニケーションを取り「変わる瞬間」を知るからです。
変わる瞬間を見るためには変えようとする行動、ある種の「攻略」が必要です。
そのコミュニケーションの流れに「攻略」過程がある以上、
ゲーム的なストーリーテリングから誕生した特殊人格と言えます。
そこが「ツンデレ」と他が決定的に違う部分です。


ツンデレのひな型

田中美沙には今で言うツンデレのあらゆる要素が詰まっています。

彼女は陸上部で一見男っぽい性格です。
主人公と同級生で性別を感じさせない付き合いをしています。
彼女の親友が主人公のことを好きで色々と応援しています。
イマイチ鈍い主人公によく切れてどつきます。(ツン要素)

しかしその過程で美沙自身が主人公に惹かれていきます。
主人公のことが好きでたまらない、けど親友は裏切れない板挟み。
今まで以上に主人公に敵対的な態度を取ります。(デレ伏線を含むツン要素)

最終的に恋が勝ってしまうとこりゃもう最後、
主人公にべたべたで、大変ごちそうさまでした。(デレ要素)

そして・・・(自主規制)


ツンデレという用語が誕生したのは2002年の「大空寺あゆ」ですが、
それより10年も前にこんなキャラがいたというお話。

もちろんこれ以前にも断片的には似たキャラはいたはずですが(天道あかね等)
後に言うツンデレ要素をこれほど前面に出し、
しかも高いレベルでゲームとして物語としてまとめ上げた。

田中美沙こそ世界最初のツンデレといって差し支えないと思います。


余談ですが、「同級生」のリリースから2年後の1994年、
エロ要素を取り除き恋愛要素をピックアップしたゲームが誕生します。

その名は「ときめきメモリアル」。

当時迷走していたコナミを救う大ヒット作となるのですが、
それはまた別の機会に。


・PCゲームの特徴

世の中には色々なゲームがあります。
ことPCゲーム界において大きいのがアダルトゲームというジャンル。

基本的に表沙汰には出来ない「闇の顔」ではありますが、
ゲームの発展と歴史を語る上で決して無視は出来ない存在です。
これは多分、映像ソフトの世界でも一緒のはずですね。

ゲーム音楽をダシにしてゲーム史を紀伝体で語るのが川村の手口だとすれば、
こういう闇の顔の部分も一切避ける気は無いのでよろしく。(ツン要素)

でも私はエロゲーはあんまりプレイしてないです。

だって買うの恥ずかしいもん。(デレ要素)


うん、良い感じでオチがついたし
今日はこれでいいか。


ほな