続・金(かね)の話

どうも、新スタッフの濱口です。

今週はいろいろあってちょっと書く気力がありません。
別に書かなくてもいいのでしょうが、今まで毎週書いていたものを書かないと、
矢口真里さんのように「男をお持ち帰りしたのか?」とか「寝室で何かしてたのか?」と疑われるのも嫌ですし。
おや、コピペしたはずなのに内容が変わってしまいました。
世間も時々刻々と変化しているということですね。

これは会社のブログにはふさわしくないと思いますが、濱口の名誉のために書いておきます。
仮にブログが中断することがあったとしても、「男」をお持ち帰りしたという事実だけはありません、絶対に。
信じてください、はい。

さて、今回もお金の話です。
というか前回と同じく、お金に換算する話です。
でもって、久しぶりに、おっさんの前世紀の文章です。
おっさん自身も書いてますがよくわからん話です。
ではまず「6.行間を読む」をお読みください。



行間を読む

部長から次のような話があったとします。
「君たちの人件費は年間2千万円かかっている。(この間、1ヶ月当たりか1日当たりかを計算したのだが、
よく覚えていない)そして1時間当たりにすると1万円だ」

普通こういう話があった後には、
「だからサボらずに仕事をしましょう」
という落ち、いえ、結論が続きます。
別の言い方をすれば、上のような話をすれば、「サボらずに仕事をしましょう」とわざわざ言わなくても
「サボらずに仕事をしろ」という意図は伝わります。このとき部長は結論めいたことを何も言いませんでしたが、
きっとこういうことが言いたかったのでしょう。

これが『行間を読む』ということです。この例など『行間を読む』というほど大袈裟なものじゃないかもしれません。
誰にでも簡単にわかることですから『暗黙の了解』という方が正しいかも。すでに何度も言われてパターン化した内容です。

これで終わりならば、屁理屈の入り込む余地などないのですが・・・この話はもう少し続きます。
冒頭の部長の発言があった会議があった直後、その部長がリフレッシュコーナー(?)でくつろぎながら煙草を
吸っていたわけです。普段なら何とも思いません。別の部長ですが、
「こうして別の部の人間と雑談をするのも仕事の1つだ」
といけしゃあしゃあとぬかす部長もいるくらいですから、煙草を吸ってくつろいでいるくらいで腹を立てていては、
この職場ではやっていけませんからね。そりゃあまったく気にならないと言ったら嘘ですけど、言ったところで
改めるような連中じゃないですから腹立てるだけ損です。

話が横道にそれてしまいました。元に戻しましょう。さて、冒頭の話で部長は何を言いたかったのでしょうか?
少なくとも「サボらずに仕事をしろ」と言いたかったのではないようです。もしそう言いたかったのだとすると、
その後の行動が理解できません。仮にも部長です。そんな不可解な行動はとらないでしょう。

では、どういう意図で冒頭の話をしたのでしょう? 実際にどうであったかを考えるにはデータが少なすぎますから
『行間を読む』しかありません。普通に読んだのでは『サボらずに仕事をしろ』という結論に達してしまいますから、
それ以外の結論を導き出すのというのはかなりの難問です。

ではいくつか考えてみましょう。
1.
おいおい、何を言っているんだ。煙草を吸うのだって立派な仕事だぞ。だから最初の結論でいいんだよ。
2.
こんなこと言うつもりはこれっぽっちもなかったんだが、上から「言え」と言われたから仕方なく、ね。
3.
君たちは働きなさい。私は例外だ。
4.
3歩、歩いたから、さっき言ったことなんて忘れたのさ。
5.
どうしてそういう風にとるんだ? (意味不明)
無理矢理考えても、たった5つしか出てきません。想像力が不足していますね。
さて、この中に正解はあるのでしょうか?



ちょっと話がそれますが、おっさんは「落ち、いえ、結論」と言っています。
よく「関西人はどんな話にもオチを求める」と非難する人がいます。
でもオチとは結論のことなのです。
「いや、結論じゃなくておもしろおかしいオチを求められた」
という人もいるでしょう。それは「自らハードルを上げた」からです。

ビジネス本によく「まず結論から報告しましょう」と書かれています。
そうすれば途中で話が終わっても言いたいことが伝わるから、ということだそうです。
つまり極論すれば結論以外は話す必要がない、ということです。
もちろん、結論に対し、更なる説明を求められれば、説明の必要がありますが、
そうでなければ結論以外は無駄ということになります。
それどころか他人の時間を使わせるわけですから無駄というより邪魔ですね。
とはいっても、結論だけであとは何も言わないというのも結構苦しいもので、
ついつい結論以外も話してしまう。結果的に人の時間を無駄にしてしまう。
その無駄にした時間について、代償として面白い話を聞かせる、それが「オチ」です。
「時間を無駄にしてごめんなさい」「聞いてくれてありがとう」それが形になったのが「オチ」です。
だから「長々しゃべってそんなオチかい!」という非難があるわけです。
もっと無駄にした時間とオチのレベルに差があると、もはやオチとは認識できなくなり、
「で、オチは?」といわれるわけです。
今回の趣旨に合わせて金銭に換算して説明すると、
1,000円分の時間を無駄にして1,000円分のオチをつければチャラ。
1,000円分の時間を無駄にして 500円分のオチをつければ「そんなオチかい」。
1,000円分の時間を無駄にして 10円分のオチをつければ「で、オチは?」
です。
で、普通は10円分のオチを1,000円にしようとがんばってそれができず、
「関西怖い」となるわけですが、発想を変えて、
時間の無駄を10円分にして10円分のオチをつければ「チャラ」です。
つまり必要なことだけしゃべっていればつまらないオチでもOK。
関西は怖くないですよ。
もっとも必要なことしかしゃべらない味気ない会話に耐えられるかどうかは問題ですが。

で、話を本題に戻します。
「おっさんの(当時の)会社の人件費は年間2千万円」だそうですが、ここでいう人件費は
給料だけでなく、光熱費やら出張旅費やら全部ひっくるめて1人当たり2千万円ということだったようです。
もし年収2,000万円だったら、おっさんも辞めていなかったことでしょう。
それでは年収はいくらくらいだったか計算してみましょう。
まず、1ヶ月の就業日が約20日、1日8時間勤務なので、1ヶ月の就業時間は160時間。
1ヶ月当たりの残業時間を40時間、時給を30%アップとすると40時間は通常時給の52時間に相当します。
これを加えて1ヶ月の就業時間は212時間。1年はその12倍の2,544時間。
さらに賞与が5ヶ月として1ヶ月の就業時間160時間で換算して800時間。
つまり総就業時間は3,344時間。
これに時給をかければ年収になるわけです。
おっさんの年収か、平均的な年収かで時給も変わってくるのでいくつかで計算してみます。
時給1,500円→年収 502万円
時給2,000円→年収 669万円
時給2,500円→年収 836万円
時給3,000円→年収1,003万円
時給3,500円→年収1,170万円
時給4,000円→年収1,338万円
時給4,500円→年収1,505万円
時給5,000円→年収1,672万円
時給5,981円←年収2,000万円

ちなみに部長は「1時間当たり1万円」と言っていますが、それで計算すると
年間3,344万円になってしまいます。これは部長の計算に残業時間が入っていないからです。
残業時間を抜きにすると1ヶ月160時間で年間1,920時間。
1時間10,000万円でほぼ2,000万円になります。

このように限られた条件から仮定をまじえて結論を導き出すのを
フェルミ推定」というのだそうです。
興味があれば調べてみたら?